ネットショップを作ることになった時、扱う商品や予算、売上の見込みなどから最適なサービスを選ばなければなりません。
世界中で利用されているネットショップ作成サービス「Shopify」と、最近日本での利用者を伸ばしてきている「STORES.jp」の料金や機能、サービスに関する比較を行いました。
ぜひネットショップ作成サービス選びの参考にしてください。
目次
Shopifyとは
Shopifyは世界中で利用されている世界最大のネットショップ作成サービスです。
日本のサービスと比べると利用者数は断然多く、機能が豊富であったりカスタマイズ性が高いなど本格派ネットショップにおすすめのサービスです。

STORES.jpとは
STORES.jpは日本の企業が提供する初心者向けのネットショップ作成サービスです。
無料プランが用意されていて、初期費用・月額費用0円からネットショップを作ることができ、多くの人が利用しています。



ShopifyとSTORES.jpの比較
ネットショップ作成サービスを選ぶ時には色々なポイントを考慮して選ばなければなりません。今回は、下記のポイントに絞ってShopifyとSTORES.jpの比較を行いました。
- 手数料の比較
- 決済方法の種類の比較
- デザインの比較
- 月額費用の比較
- 初期費用の比較
- 振込手数料の比較
- 入金サイクルの比較
- 機能の比較
- 商品登録の比較
では、ひとつずつ見ていきましょう。
ShopifyとSTORES.jpの手数料の比較
手数料は、決済方法などにもよりますが商品が売れるごとに発生する料金です。例えば、1000円で商品を販売した時に5%の手数料が発生してしまうと実際に振り込まれる金額は950円ということになります。
手数料は小さな違いに感じるかもしれませんが、利益率を高めるためにはなるべく手数料が安いサービスを利用することが大切です。手数料は大きく分けて下記の2つに分けられます。
- 販売手数料
- 決済手数料
それぞれどのような手数料なのかというと、次のような違いがあります。
- 販売手数料
- 商品が売れた時にサービス側に支払う手数料のことで、今回の場合はShopifyやSTORES.jpに支払う手数料ということになります。
- 決済手数料
- お客様の決済方法に応じて発生する決済代行会社に支払う手数料のことで、クレジットカードやコンビニ払いなど支払い方法によって変化します。
決済手数料はクレジットカード会社などに支払われる手数料なので、基本的にどのサービスを使っても一定割合の費用が発生していまいます。
ShopifyとSTORES.jpのクレジットカード払い時の手数料は下記の通りです。
販売手数料 | 決済手数料 | |
---|---|---|
Shopify | 0円※ | 3.25%~ |
STORES.jp | 0円 | 3.6%※2 |
※1 Shopifyペイメント利用時
※2 スタンダードプランの場合
Shopifyの決済手数料は3.25%〜となっていますが、契約するプランに応じて決済手数料が変わります。具体的な手数料は下記のとおりです。
ベーシック | スタンダード | プレミアム | |
---|---|---|---|
日本のクレジットカード | 3.4% | 3.3% | 3.25% |
海外のクレジットカード/AMEX | 3.9% | 3.85% | 3.8% |
また、上記の料金はShopifyペイメントを利用した場合の販売手数料となっており、コンビニ決済や着払いを利用する場合は販売手数料がかかってしまいますが、クレジットカードはShopifyペイメントで対応しているのでそちらを利用する場合は問題ないでしょう。
これは他のネットショップ作成サービスと比べても非常にお得な料率になっていて、手数料を抑えてネットショップを運営したい場合にはShopifyはとてもおすすめです。
Shopifyペイメントを利用することで、販売手数料を0円に抑えることができるというのが魅力的ですね。
ShopifyとSTORES.jpの決済方法の種類の比較
ネットショップでは、多くの決済方法を提供するほど利用者にとって使いやすいサービスを提供することができます。
すべての決済方法を提供する必要はありませんが、利用者が多い決済方法を提供することで売上の増加に期待することができます。
ShopifyとSTORES.jpが対応している決済方法は下記のとおりです。
Shopify | STORES.jp | |
---|---|---|
クレジットカード決済 | ◯ | ◯ |
コンビニ決済 | ◯ | ◯ |
銀行振込決済 | ◯ | ◯ |
キャリア決済 | ◯ | ◯ |
後払い決済 | ◯ | ◯ |
代引き | ◯ | ◯ |
PayPal | ◯ | ◯ |
Apple Pay | ◯ | ✕ |
Google Pay | ◯ | ✕ |
Amazon Pay | ◯ | ◯ |
楽天ペイ | ✕ | ◯ |
仮想通貨決済 | ◯ | ✕ |
クレジットカードやコンビニ決済、キャリア決済などはネットショップを運営する上で欠かせない決済方法ですが、どちらのサービスも提供しているため問題ないでしょう。
ShopifyはApple PayやGoogle Payなど最新の決済方法にも対応している点が魅力的です。また、仮想通貨で決済することもできるなど、Shopifyの方が幅広い決済方法を提供しています。
ShopifyとSTORES.jpのデザインの比較
ネットショップにとってデザインは非常に重要な要素です。扱っている商品や、ターゲットの客層に合わせたデザインのネットショップにするかどうかで売上が大きく変化します。
ショップごとに扱う商品やターゲット客層は異なるため、より多くの種類のテンプレートが提供されていたり、カスタマイズ可能かどうかが重要になります。
ShopifyとSTORES.jpの提供しているテンプレートの種類は下記のとおりです。
無料 | 有料 | |
---|---|---|
Shopify | 10種類 | 70種類以上 |
STORES.jp | 48種類 | 48種類 |
Shopifyは無料テンプレートが10種類、有料テンプレートが70種類以上と、有料テンプレートの豊富さが魅力的ですね。
一方で、STORES.jpは無料プランでも有料プランでも48種類のテンプレートから好きなものを選ぶことができます。
ただし、ShopifyはHTMLとCSSを編集して自由にカスタマイズすることができますが、STORES.jpは予め編集できるものが限られており、その範囲でのカスタマイズが可能です。HTMLとCSSを使ってWebサイトを作ったことがある方はShopifyの方が自由にカスタマイズすることができるのがメリットですが、初心者の方はSTORES.jpの方が使いやすいかもしれませんね。
ShopifyとSTORES.jpの月額費用の比較
ネットショップを運営する上で月額費用は無視することができない費用です。一定以上売上がある場合は手数料の方が大事になりますが、あまり売上が多くない場合は月額費用の方が利益に大きく影響します。
ShopifyとSTORES.jpの月額費用はそれぞれ下記の通りです。
Shopify | 29ドル〜 |
---|---|
STORES.jp | 0円 |
Shopifyは無料プランが提供されていないため、一番安いベーシックプランに加入すると月額29ドルがかかりますが、STORES.jpは月額費用0円でスタートする事が可能です。
Shopifyの月額費用
Shopifyには無料プランが提供されておらず、下記の3つのプランが提供されています。
- ベーシック
- スタンダード
- プレミアム
それぞれのプランの詳細は下記のとおりです。
ベーシック | スタンダード | プレミアム | |
---|---|---|---|
月額費用 | 29ドル | 79ドル | 299ドル |
ネットショップ | ◯ | ◯ | ◯ |
無制限の商品 | ◯ | ◯ | ◯ |
スタッフアカウント数 | 2 | 5 | 15 |
24時間体制のサポート | ◯ | ◯ | ◯ |
販売チャネル追加機能 | ◯ | ◯ | ◯ |
手動で注文作成 | ◯ | ◯ | ◯ |
ディスカウントコード | ◯ | ◯ | ◯ |
無料SSL証明書 | ◯ | ◯ | ◯ |
カゴ落ち対策 | ◯ | ◯ | ◯ |
ギフトカード | – | ◯ | ◯ |
プロフェッショナルレポート | – | ◯ | ◯ |
高度なレポートビルダー | – | – | ◯ |
外部サービスの自動計算送料 | – | – | ◯ |
基本的な機能は最低プランのベーシックプランで利用可能です。ただし、決済手数料などの料金がプランによって異なるため、より売上が高いネットショップであるほど上位のプランを利用した方が合計の料金を抑えることが可能です。
それぞれの詳しい情報は公式サイトでチェックしてみてください。
STORES.jpの月額費用
STORES.jpは、無料で利用できるフリープランと有料のスタンダードプランが用意されていて、大きな違いは下記の表のようになっています。
フリープラン | スタンダードプラン | |
---|---|---|
月額費用 | 0円 | 1,980円(税別) |
初期費用 | 0円 | 0円 |
決済手数料 | 5% | 3.6% |
アイテム登録数 | 無制限 | 無制限 |
アイテム写真枚数 | 15枚 | 15枚 |
代引き | ✕ | ◯ |
Amazon Pay | ✕ | ◯ |
決算手段カスタマイズ | ✕ | ◯ |
アクセス解析 | ✕ | ◯ |
独自ドメイン | ✕ | ◯ |
STORES.jpロゴ非表示 | ✕ | ◯ |
決済手数料の違いやSTORES.jpロゴの非表示、独自ドメインの使用など、本格的にネットショップを作成したいと考えている方はスタンダードプランがおすすめです。
ShopifyとSTORES.jpの初期費用の比較
初期費用はネットショップを作る時に発生する費用です。ある程度ビジネスとして計画を立ててネットショップを作る場合はそこまで気にする必要はありませんが、趣味や興味でネットショップを作るときにはちょっとした出費が気になってしまいますね。
ShopifyとSTORES.jpの初期費用の比較は下記のとおりです。
Shopify | 0円 |
---|---|
STORES.jp | 0円 |
ShopifyもSTORES.jpも初期費用は0円となっています。サービスによっては数万円の初期費用がかかるものもあるため、初期費用の観点ではどちらのサービスも0円なので利用しやすいですね。
ShopifyとSTORES.jpの振込手数料の比較
振込手数料は、売上金を所定の銀行口座に振込した時に発生する手数料です。まとめて振り込む場合はそこまで手数料を気にしなくて良いかもしれませんが、頻繁に振込を行う場合は振込手数料が安いサービスを利用した方がいいでしょう。
ShopifyとSTORES.jpの振込手数料は下記のとおりです。
Shopify | 0円 (Shopifyペイメント利用の場合) |
---|---|
STOES.jp | 250円 |
Shopifyは、「Shopifyペイメント」を利用すると振込手数料が0円となっていて非常に魅力的です。
一方で、STORES.jpは振込手数料が250円かかってしまいますが、ある程度売上があればあまり気にする金額ではないでしょう。
ShopifyとSTORES.jpの入金サイクルの比較
入金サイクルは、売上が確定してから実際に売上金が振り込まれるまでのサイクルのことです。入金サイクルが短ければ短いほど、売上が確定してから実際に売上金が振り込まれるまでの期間が短くなるので、早く売上金が手に入ったり、資金繰りが行いやすくなるなどのメリットがあります。
ShopifyとSTORES.jpの入金サイクルの比較は下記のとおりです。
Shopify | 翌週の金曜日(Shopifyペイメント利用時) |
---|---|
STORES.jp | 月末締め、翌月末払い |
Shopifyは最短で5営業日、最長で10営業日で支払いが行われます。一方で、STORES.jpは月末締めの翌月末払いなので30日〜60日かかってしまいます。ただし、STORES.jpの場合は下記のスピードキャッシュというサービスを利用すると支払いサイクルを短縮することができます。
実は、STORES.jpでは入金サイクルを短くすることができる「スピードキャッシュ」というサービスが提供されています。
これを利用すると、最短で申請の翌日に売上を振り込んでもらうことができます。
手数料が3.5%かかってしまいますが、これもスタンダードプランであれば1.5%で利用できるというとても魅力的なサービスです。
売上が少し減ってしまうのがデメリットですが、それでも1.5%の手数料で翌日に振り込んでもらえるというのはとても便利です。
ShopifyとSTORES.jpの機能の比較
ネットショップは扱う商品や客層よって機能を使い分ける必要があります。細かなカスタマイズを行うためにはサービス側がより多くの機能を提供しているかどうかが比較のポイントとなりますね。
では、それぞれの機能をご紹介していきます。
Shopifyのおすすめ機能
まずはShopifyならではのおすすめ機能をご紹介します。
数千種類のアプリ
STORES.jpもアドオンを追加して機能拡張を行うことができますが、Shopifyの提供しているアプリは数千種類に上り、数の面で非常に優れています。
レイアウトをカスタマイズするものから、マーケティングオートメーション、広告運用、おすすめ商品の表示など売上げアップにつながりそうなアプリがたくさん公開されているので、それらを利用することで売上アップを狙うことができます。
このあたりは世界中で使われているShopifyの規模だからこそ可能になるポイントですね。
多言語対応
Shopifyはグローバルに提供しているネットショップ作成サービスということもあり、決済画面などが50種類以上の言語に対応しています。
その他にも関税に関する設定ができたりするなど、日本国外も対象とする越境ECサイトを作る場合にはShopifyがもっとも適したサービスとなるでしょう。
Tシャツやスマホケースなどのグッズが作れる
Shopifyは「Canvath」というサービスと連携しており、これを利用することでTシャツやスマホケースなどを簡単に販売することができます。
デザインを自分で作り、データをアップロードするだけでショップに商品を並べることができます。注文が入ると商品の生産から発送まで行ってくれるので、在庫を抱えるリスクが無く、商品の発送作業なども自分で行わなくていいのでとても便利ですね。
クリエイターの方がオリジナルグッズを作りたいような場合に利用するといいのではないでしょうか。
STORES.jpのおすすめ機能
WEARとの連携
STORES.jpはファッションコーディネートアプリ「WEAR」と連携することができ、WEARで登録したアイテムをSTORES.jpで作ったネットショップで販売することができるようになります。
WEARは、ファッション系のアプリではとても人気が高く、多くの利用者がいるためWEARで知名度を上げることによってネットショップの売上につなげることができます。
ファッション関連商品やアクセサリなどを扱っているネットショップであれば、WEAR連携が使えるSTORES.jpを利用した方が売上を伸ばせる可能性が高まります。
アドオンによる機能追加
STORES.jpは「アドオン」と呼ばれるものを追加していくことによって機能やできることを増やすことができます。Shopifyのアプリと比べると種類は限られますが、ショップを自分の好きなようにカスタマイズすることができます。
おすすめのアドオンには次のようなものがあります。
- トップページ
- 通常のトップページとは違い、様々な情報を掲載したトップページを作ることができます。トップページをカスタマイズすることにより、お客様に伝えたい情報をしっかりと伝えることができます。
- シール
- 注目のアイテムをアピールするためのシールを貼ることができます。おすすめ商品やセール商品、新着商品などにシールを貼ることでお客様に興味を持ってもらうことができ、売上アップにつながります。
- ニュース
- ストアからのお知らせページを作成することができます。こちらも同様に、お客様に伝えたい情報をしっかりと伝えることができ、色々な場面で活躍するアドオンです。
- 告知ボード
- ストアを開いたタイミングで告知ボードが表示され、大事な情報をアピールすることができます。
- 送料詳細設定
- 発送手段を自由に作成し、より詳細な送料設定をすることができます。
- Instagram連携
- Instagramの投稿にショップへのリンクをタグ付けすることができるようになり、Instagramを通してアイテムの販売ができるようになります。
STORES.jpでネットショップを作ったら上記のアドオンを積極的に活用することで売上アップを狙うことができるでしょう。
まとめ
しっかりと売上を上げるネットショップを作りたければShopifyがおすすめ
Shopifyは世界最大のネットショップ作成サービスということもあり、機能の豊富さやカスタマイズ性の高さ、手数料の低さなどが魅力的です。
本格的にネットショップに挑戦して、大きな売上を狙っていく場合はShopifyを利用しておけば後で後悔しないと思います。また、サポートが手厚いため初心者の方でも利用しやすいというメリットもありますね。



一方で、まずは手軽にネットショップを作りたいという人はSTORES.jpがおすすめです。
STORES.jpは初心者が使いやすいように作られているサービスなので、簡単操作でネットショップを運営することができます。


