パソコンやスマホと、販売する商品さえあれば、あとはネットショップを作って商品を登録することで、個人や初心者でもあっという間にネットショップを作ることができます。
ネットショップを始めるためのサービスも充実しているため、無料プランを使ってコストをかけずにネットショップを始めることも可能です。
この記事では、個人でネットショップを始める上で必要なものや始め方などをご説明していきます。
ネットショップ開業に必要なもの
- ネットショップ(Webサイト)
- 販売する商品
- 集客手段
1. ネットショップ(Webサイト)
ECサイトの種類は、大きく「モール型EC」と「自社サイトEC(ネットショップ)」の2種類に分けられます。
モール型ECは様々な販売者が1つのECサイト上に出店しているため、利用者が多いですがその分ライバルも多くなります。
一方、自社サイトECは1つのネットショップとして独立したWebサイト上で販売するため、集客方法を考える必要がありますが、自分だけのネットショップを作ることができます。
モール型ECと自社サイトECのプラットフォームやサービスについて、ご説明します。
モール型EC
モール型ECは、Amazonや楽天市場のような1つのプラットフォームの中で複数の販売者が商品を販売するようなECのタイプです。
プラットフォーム自体に集客力があり、ポイント還元キャンペーンなども頻繁に開催されるためかなり多くの人が利用しています。
モール型ECは自分で集客を行う必要ないというメリットがありますが、一方で価格競争が激しくショップのブランディングが行いづらいというデメリットもあります。
- Amazon
- 楽天市場
- Yahoo!ショッピング
- メルカリShops
自社サイトEC(ネットショップ)
自社サイトECは、ネットショップとして独立したWebサイトを公開し、商品を販売する方法です。公開方法にはいくつかの種類がありますが、おすすめは無料でも始められるネットショップ作成サービスを利用する方法です。
- BASE
- STORES
- Squareオンラインビジネス
- Shopify
- カラーミーショップ
- makeshop
2. 販売する商品
ネットショップが用意できたら、販売する商品を決めます。すでに販売する商品が決まっている人がほとんどだと思いますが、まだ商品が決まっていない場合は用意する必要があります。
ただし、商品を用意するには仕入れや製造などが必要になるため、これからネットショップを始めるという人は商品の用意がかなりハードルが高くなってしまいます。
初心者の方は、まず下記のような仕入れコストがかからず、在庫リスクも発生しない販売方法からスタートするのもおすすめです。
- オンデマンド販売
- デジタルコンテンツ販売
- ドロップシッピング
それぞれ簡単にご紹介していきます。
オンデマンド販売
オンデマンド販売は、注文されてから商品を製造して配送する販売方法のことを指します。
個人でオンデマンド販売を利用する場合は、イラストや写真をアップロードするだけで商品が作れるため、初めてネットショップを始める方やオリジナルグッズを販売したい人にはおすすめ。
商品販売時に、製造費や手数料を支払うだけで済むため、在庫コストや仕入れリスクが無いという点が魅力の販売方法です。
デジタルコンテンツ販売
デジタルコンテンツとは、画像や動画、音声、文章などのデータを販売することを指します。
例えば、自分で描いたイラスト作品や、お客様向けのオリジナルムービーなど、自分のスキルを使ってデジタルコンテンツを作成し、ネットショップで販売することが可能です。
ただし、ネットショップ作成サービスによってはデジタルコンテンツの販売が認められていないケースもあるため、デジタルコンテンツ販売が可能なサービスを選ぶようにしましょう。
ドロップシッピング
ドロップシッピングは、商品が売れたらメーカーや卸業者から直接発送されるという販売方法です。
実際に商品が購入されたら、ドロップシッピングサービス上で配送先と数量などを入力して発注処理をかければ、あとはお客様の元へ商品が発送されるので、梱包作業や発送作業が必要なく、手間がかからない点もメリットの1つ。
ドロップシッピングのための仕入れサイトが公開されているので、自身のショップのジャンルやイメージに合った売れる商品を見つけて販売してみましょう。
サービスによっては初期費用や月額費用が発生しますが、最初は無料で利用できる仕入れサイトから始めると良いでしょう。
自分で商品を用意する必要が無いため簡単に始めることができますが、ライバルも多いため上級者向けの販売方法となります。
3. 集客手段
ネットショップは、ただ公開するだけではサイトにアクセスしてくもらうことが難しく、なかなか商品の購入には繋がりません。
そこで、SNSやブログなどネットショップの宣伝や集客を行うためのツールを活用しましょう。
元々SNSのフォロワーがたくさんいる方や、インフルエンサーやクリエイターとして活動している人はネットショップとの相性が良く、ファンやフォロワーに対してオリジナルグッズやオリジナルブランドを展開することによって新しいマネタイズの手段を生み出すことができる可能性があります。
SNSやブログを運営していないという人も、ネットショップの公開に合わせてSNSやブログをスタートして、集客ツールとして活用していきましょう。
ネットショップ作成サービスの中でブログ機能を提供しているものもありますが、より多くの人が見てくれるSNSやブログプラットフォームの利用がおすすめです。
ネットショップ開業で場合によって必要になるもの
- 必要な許可や届け出
- バーチャルオフィス
- ホームページ
1. 必要な許可や届け出
販売する商品のジャンルによっては、販売前に予め許可や届け出が必要になる場合があります。
届け出をせずに販売してしまうと、罰せられたり販売停止になる可能性もあるため、商品ジャンルが決まったら事前に確認しておきましょう。
商品ジャンルごとの必要な許可や届け出の一例がこちら。
商品ジャンル | 必要な許可や届け出 |
---|---|
酒類 | 通信販売酒類小売業免許 |
食品 | 営業許可 |
中古品 | 古物商許可証 |
2. バーチャルオフィス
ネットショップで商品を販売する場合、特定商取引法という法律の対象となります。
特定商取引法では、販売者の名前、住所、電話番号を掲載することが義務付けられており、個人でネットショップを運営する上でも例外ではありません。
インターネット上に個人情報となる住所や電話番号を掲載することに抵抗がある人も多いと思いますが、住所と電話番号はバーチャルオフィスを使えば個人の情報は公開しないことが可能です。
バーチャルオフィスを利用すると、そのバーチャルオフィスの住所や電話番号をWebサイト上に掲載できるようになるので、法律に遵守しながらプライバシーを守ることができます。
また、バーチャルオフィスは商品の発送元の情報や返品先にも利用することができるので、安心してネットショップを運営することが可能です。
3. ホームページ
ネットショップでホームページが必要なケースはあまり多くないかもしれませんが、運営企業や販売者の情報をホームページで公開することによって信頼感がアップし、購入率のアップにつながる場合があります。
サービスのサブドメインを使用する場合は無料プランで利用できるサービスも多く、独自ドメインを利用する場合も月額1,000円〜2,000円程度でおしゃれなホームページを作成することができます。
ネットショップの始め方
利用するサービスを選んだ後に、ネットショップで販売を開始するために必要なことをステップごとに解説していきます。
サイトの名前を決める
まずはネットショップの顔となるサイト名を決めます。
サイト名は、他の企業がすでに使用している名前などを使用すると権利問題に引っかかる可能性があるため、事前に調査が必要です。
また、サイト名を決める際には後に説明する独自ドメインとも関連するため、独自ドメインと合わせてサイト名を決めると良いでしょう。
ドメインの取得
次にネットショップのURLに使われるドメインを取得する必要があります。
BASEやSTORESなどのサービスでは、独自ドメインが無くてもネットショップを作ることができます。
ただし、本格的にネットショップを運営していくためには、ブランディングや信頼感、SEOなどの観点から独自ドメインを取得した方が事業を伸ばしていく上で有利になります。
ドメインはURLにも使われるので、ネットショップの名前や商品と関連するようなドメインを取得するようにしましょう。
サイトデザインの調整
次に、サイトのデザインを調整します。
ネットショップ作成サービスであれば、あらかじめ何種類かのテンプレートが用意されているので、イメージに近いテンプレートを探してみましょう。
最近ではスマホユーザーの割合も高くなっているので、PCだけでなくスマホで見た場合のデザインも確認が必要です。
サービスごとにテンプレートの完成度やクオリティが異なるので、なかなかしっくりくるテンプレートが見つからない場合には、他のサービスのテンプレートもチェックしてみるのがおすすめです。
ほとんどのサービスが無料アカウントを作成することでデザイン作成まではできるため、どのサービスにするか悩んでいる場合もデザインをチェックするようにしましょう。
商品の登録
次に商品を登録します。商品を登録する際は、下記のポイントを意識するようにしましょう。
- 商品の魅力が伝わる商品画像を設定する
- 商品の魅力や情報を分かりやすく伝える説明文を記載する
- 配送方法や配送時期などお客様がきになる情報をしっかりと記載する
- よくある質問などを掲載してお客様の不安を無くす
商品ページを見て、商品を買いたいと思ったお客様だけが購入へとつながるので、商品ページはネットショップの中でもかなり重要な要素となります。
しっかりと商品の魅力や情報を伝えられるように、検討して情報を設定するようにしましょう。
決済方法の設定
多くの決済手段を用意することで、購入段階のお客様が離脱してしまうことによる機会損失を防ぐことができます。
ネットショップの客層や、取り扱っている商品との相性を考えて決済方法を検討してみましょう。
競合サイトがどんな決済手段を提供しているかという情報も参考になります。
ただし、決済手段によっては手数料が高くなってしまったり、別途申し込みが必要になる場合があるため、最初は最低限の決済手段で始めるという選択もありです。
特定商取引法に基づく表記の確認
どのネットショップ作成サービスを利用しても、基本的に特定商取引法に基づく表記というページが用意されていて、販売者の情報や決済方法などが記載されています。
個人の住所や電話番号が記載されているケースもあるので、サイト公開前に必ず確認しておくようにしましょう。
BASEやSTORESでは、特定商取引法に基づく表記の「住所と電話番号」はそれぞれBASEとSTORESの情報を表示するように設定することができます。
ただし、その場合でも配送伝票や商品の返品時、開示請求が行われた場合には消費者に対して公開される場合もあるので、完全に防ぎたければバーチャルオフィスの利用を検討しましょう。
ネットショップを成功させるコツ
まずは集客に注力する
ネットショップを成功させるためには、どんなに商品が魅力的でもその商品を見つけて購入してくれるお客様がが欠かせません。
そのために、ネットショップへの集客に注力することが大切です。
SNSやブログを使ったり、知り合いに宣伝してもらったり、地道な方法も時には必要になります。
ランニングコストを抑える
ネットショップを小さく始める場合には、初期段階のランニングコストはなるべく抑えるようにしましょう。
ネットショップ作成サービスを使えば月額無料からスタートすることができるので、ランニングコストを抑えることができます。
売上が伸びてきたり、継続して商品が購入されるようになってきたら、有料プランに乗り換えたり、売上アップのために多少ランニングコストを増やしていくと良いでしょう。
他のショップとの差別化を意識する
ネットショップは、ある意味ネット上に公開されているすべてのショップがライバル店舗ということになります。
公開されているネットショップの数は無数にあるので、その中から自分のネットショップで買ってもらうためには、オリジナリティや差別化が必要となります。
ブランディングという言葉で説明されていることもありますが、どのように差別化をすればいいか分からない場合は、知識がありそうな人に相談したり、書籍やWeb記事などで情報収集をしてみましょう。
個人でネットショップを始める時によくある質問
- 開業届は必要?
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基本的に、開業届を提出しなくてもネットショップを運営することは可能です。ただし、開業届を提出しておくと「個人事業主」になることがで、下記のようなメリットがあります。
個人事業主のメリット- 確定申告で青色申告ができるようになる(青色申告特別控除が使える)
- 屋号で銀行口座を開設できる
- 事業者向けの卸売サイトなどが利用できる
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初めてのネットショップには、まずは無料サービスから試してみるのがおすすめです。
特にBASEとSTORESは個人でネットショップを始める上でかなりおすすめのサービスです。2つのサービスの違いは下記のページで解説しています。
無料サービスでは機能が不足していたり、満足できない場合は本格派ネットショップ作成サービスも検討してみましょう。